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音楽、映画、読んだ本のメモ帳です

『映画の考古学』と月尾嘉男氏

本棚を整理していたら、意外な発見が。

 

映画の考古学

映画の考古学

 

 

このC・W・ツェーラムによる名著『映画の考古学』は、杉浦康平氏と鈴木一誌氏によるブックデザインも楽しく、フィルムアート社の本のなかでも個人的にフェイバリットの1冊なのですが、訳者の月尾嘉男氏って、デジタルアーカイブ界隈でも著名なあの月尾氏でしたか。

 

月尾氏の訳者あとがきから。

 

たとえばソーマトロープの段階では、同じ場所で足踏みしている動作さえ表現できなかったし、ゾーアトロープの段階では、一直線に向かってくる汽車を再現することは考えられなかったというわけである(344p)。

現実の表現(芸術)はその利用できる媒体(技術)の可能性の範囲内でしか行ないえないこともまた事実である(344p)。

 

1977年の記述ですが、射程は広い。