『寺山修司の写真』
東京大学の堀江秀史先生からご恵投いただきました。
以前に堀江先生とお話した際に、寺山修司と、写真家の中平卓馬との関係の話で盛り上がったのですが*1、寺山と「写真」という、その時うかがったテーマが、本書に結実しています。
本書のアプローチについて、筆者の言葉をお借りしますと、
本書の中心的な問いは、寺山にとって写真ジャンルとは何であったかと、寺山写真の特質とは何か、というものである。その考察にあたって、なぜ寺山は森山(大道)、中平(卓馬)との協働関係を解消せねばならなかったのかという問いが浮上し、そう問うことが、彼らと離別したのち、寺山がなぜ、写真に限っては半分しか身を投じられなかったのかという謎を解くカギともなる。演劇や映画、文学に比して、写真ジャンルは寺山にとって特別な意味を持っていた。本書はそれを、初めて通史的に描き出そうとするものである。
(17-18p。カッコ書きは引用者追記)
寺山に関しては、これまで『書を捨てよ~』と『田園に死す』しか接点がなかったので*2、本書を機に掘り下げてみることにします。