small talk

音楽、映画、読んだ本のメモ帳です

お茶の間にバスビー・バークレー

19時台のゴールデンタイムに、テレビを見るともなく見ていたところ、「フランキー堺がミュージカル風に踊る映画・・」という声が聞こえてきて、その映画にはたしかに心当たりがあったのですが、まさかこんな時間帯のテレビで流れることはないはず・・と思い、慌てて画面を見たところ、まさにその心当たりの映画、『君も出世ができる』(1964)のダンスシーンが流れていたのでした*1

 

驚いた勢いでそのまま見ていると、20時前後にもかかわらず、フレッド・アステアの『ブルー・スカイ』(1946)や『恋愛準決勝戦*2(1951)の軽やかなステップが平然と流れたうえに、挙句のはてにはバスビー・バークレーの顔が画面いっぱいに登場して、あの『バスビー・バークリーの集まれ!仲間たち』*3(1943)のバナナとイチゴのシーンが、全国のお茶の間に流れました。こうして書いている今でも信じがたいことです。

 

その番組の名は、「中居正広のダンスな会」。
スタッフさんの中に、相当に意欲的な方がいるはずです。

 

番組では、その後も面白いダンス映像がたくさん流れていて、とくに印象的だったのは、『チャップリンの独裁者』の演説にあわせて踊るシットキングスのパフォーマンス(2020)と、巨大な雹が降り注ぐなかで「雨に歌えば」を歌いながら踊るバーバリーのCM(2020)でした。

 


The Great Dictator - Final Speech / s**t kingz

 


'It’s about that fearless spirit and imagination when pushing boundaries.' #RiccardoTisci

 

いい番組でしたので、後世への記録として書き残しておきます。

 

*1:私が『君も出世ができる』を知ったのは、たしか学生だった2005年頃のことです。「アメリカでは」の曲などはピチカート・ファイブの『さ・え・らジャポン』(2001)で知っていましたが、この映画自体はたしか『映画秘宝』のミュージカル映画の特集で知りました。当時はまだDVDになっていなかったので、すぐには観れず、しばらくして名画座で観た記憶があります。

*2:原題『Royal Wedding』。この邦題は、村上春樹氏のエッセイでご存じの方も多いでしょう。

*3:原題『THE GANG'S ALL HERE』。日本では未ソフト化。番組で流れたシーンの前後では、なんと歌手のカルメンミランダが歌っています。