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エルンスト・ルビッチの『生活の設計』が1933年に世に出ていたというのは信じがたい

『大豆田とわ子と三人の元夫』の最終回の感想に続いて、エルンスト・ルビッチ監督の『生活の設計(Design for Living)』(1933年)をDVDで鑑賞。

 

 


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傑作です。この設定をさらに進めれば、『大豆田~』になるという意味で影響元の1本かと思いますし、1933年にこれが世に出ていたというのは信じがたいものがあります*1

 

長椅子のホコリのギャグ、破り捨てた手紙のギャグ、扉の向こうの大胆な省略など、賛辞を送りたいシーンは多々ありますが、ここは一言、淀川長治氏にならって「あれはもう粋なもの」*2とだけ言って済ませることにします。

 

ネタバレを避けるためにあらすじなどは書きませんが、ラストの、あの魂の連帯というべきカット、『大豆田~』がお好きな方はぜひご覧ください。

 

 

 

*1:一部のルビッチ研究者の評価がさほど高くないのは不思議です。たとえばハーマン・G・ワインバーグ著、宮本高晴訳『ルビッチ・タッチ』(国書刊行会、2015年)222p、498p

*2:淀川長治蓮實重彦山田宏一『映画千夜一夜』(中央公論社版)29p