『Accidentally Wes Anderson』
6月のブログ記事「偶然にもウェス・アンダーソン」で触れました、『Accidentally Wes Anderson』、買いました。
これは、ウェス・アンダーソン監督の映画にいかにも出てきそうな写真ばかりを集めた1冊です。
セレクトされた写真はもちろん、装丁やフォントに至るまで、ウェス・アンダーソンのファンの嗜好をよくわかっている作りです。
インドのピチョーラ湖の写真など、いかにも "似せに行ってる" ので面白いです。
日本の風景もいくつか取り上げられていますが、1枚目が東京の市政会館だったのには驚きました。グリーンキャブを手前に配置しての撮影。
日本からは他にも、有名な某大学の建築や、某演芸場、某ジェットコースター、某動物園が取り上げられていて、どれもウェス・アンダーソンらしい風景に変身していて面白いです。
そして、この本を見ていると、単にパステルカラーの建築や物体を撮るのではなく、左右対称の構図で、建物と空を一定の割合に置いた写真のほうが、よりウェス・アンダーソンらしくなることに気づきます。
キューブリックや小津がそうだったように、ウェス・アンダーソンも厳密な画面構成をもつ映画作家だということが、この「偽の」写真集からもよくわかります。
【12/5追記】近く、DU BOOKSから翻訳(『ウェス・アンダーソンの風景』)も出るようです。