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音楽、映画、読んだ本のメモ帳です

ミステリ

『米澤穂信と古典部』

『米澤屋書店』を読まれた方にはこちらもおすすめです。 『米澤穂信と古典部』(角川書店、2017年) 一見すると、『氷菓』からはじまる〈古典部〉シリーズのファンブックですが、実はブックガイドとしても楽しめます。 例えば、「米澤穂信のマイルストーン」…

『米澤屋書店』

年末年始はこれを読んでいました。 米澤穂信『米澤屋書店』(文藝春秋、2021年) 冒頭エッセイのタイトルからして、「ご挨拶より本の話をしませんか」というわけで、読書エッセイ集の本書では、約700の作品*1がぎっしり紹介されています。 米澤氏が「うん。…

『新本格ミステリを識るための100冊 』

これも9月ころに読んで、ブログに書きそびれていました。 佳多山大地『新本格ミステリを識るための100冊 令和のためのミステリブックガイド』(星海社新書、2021年) 個人的にとくに面白かったのは、第8章「一発当てて名を刻む」。 本書でリストアップされた…

『メルカトル悪人狩り』

9月に読んでからご紹介が遅れましたが、2021年のベスト・ミステリでしょう。 麻耶雄嵩『メルカトル悪人狩り』(講談社ノベルス、2021年) シリーズ前作『メルカトルかく語りき』に続いて、ひとり未踏の地を切り拓いています*1。 *1:本作を読んで最初に思い出…

『兇人邸の殺人』

積ん読の山から取り出して、年末にようやく読めました。 今村昌弘『兇人邸の殺人』(東京創元社、2021年) 傑作『屍人荘の殺人』のシリーズ3作目。今回は冒頭から『九マイルは遠すぎる』で、さらにミス・マープルと黒後家蜘蛛の会への言及があったかと思えば…

『エラリー・クイーン 創作の秘密: 往復書簡1947-1950年』を読む

『エラリー・クイーン 創作の秘密: 往復書簡1947-1950年』をすこしずつ読んでいます*1。 このなかに、『九尾の猫』の梗概の話が出てくるのですが、次のくだりに驚きました。 君に梗概を送った翌日、ビルと私は映画に行き――『裸の街』を観た。もしこの映画を…

冒頭には「美しい謎」を : 『書きたい人のためのミステリ入門』

ミステリ好きの知人がツイッターで絶賛していたので、読みました。 新井久幸『書きたい人のためのミステリ入門』(新潮新書) 新潮社で新人賞の下読みを担当された編集者(現編集長)の方が、ミステリのお約束や書き方を解説する1冊。 私は今のところミステ…

フットレルの『十三号独房の問題』

QuizKnockの動画を見ていたら、フットレルの『十三号独房の問題』が出てきて、無性に読みたくなって再読しました。 世界推理短編傑作集1【新版】 (創元推理文庫) 発売日: 2018/07/12 メディア: 文庫 言うまでもなく古典中の古典ですが、あらためて読むと、冒…

麻耶雄嵩氏の「不要不急」

麻耶雄嵩氏の新作「不要不急」読みました。 麻耶雄嵩さんの「Day to Day」が公開されました。メルカトル鮎が登場です! タイトルは『不要不急』。「とある事情でアパートが全焼して丸裸で焼け出されたため――」衝撃の冒頭からはじまる掌編。気になりすぎる続…

不要不急で米澤穂信氏の小説を読む

先日、作家の米澤穂信氏が、新聞におもしろいコラムを寄せていました。 「心がすり減りつつあるなと思った時は、いま読む必然性がまったくない本が良い」と。 4/11(土)日経新聞「半歩遅れの読書術」は米澤穂信さん。「心がすり減りつつあるあるなと思った時…