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音楽、映画、読んだ本のメモ帳です

2020-01-01から1年間の記事一覧

冒頭には「美しい謎」を : 『書きたい人のためのミステリ入門』

ミステリ好きの知人がツイッターで絶賛していたので、読みました。 新井久幸『書きたい人のためのミステリ入門』(新潮新書) 新潮社で新人賞の下読みを担当された編集者(現編集長)の方が、ミステリのお約束や書き方を解説する1冊。 私は今のところミステ…

『Business Law Journal』の休刊に寄せて

企業法務の雑誌、『Business Law Journal』が、2021年2月号をもって休刊とのことです。 www.businesslaw.jp 私も縁あって3回ほど書かせていただきましたし*1、執筆に先がけての、編集者の方々のディスカッションも、楽しく実り多い時間でした。 また何かの形…

『ザ・ビートルズ:Get Back』先行特別映像

「やあ ビートルズのファンの皆さん 編集室へようこそ」 「皆に笑顔になってほしいね 今は不安の多い時期だから」 「ザ・ビートルズ:Get Back」先行特別映像|2021年8月27日(金)世界同時劇場公開! ピーター・ジャクソン監督からの、粋なクリスマスプレゼ…

『寺山修司の写真』

東京大学の堀江秀史先生からご恵投いただきました。 『寺山修司の写真』(青土社) 以前に堀江先生とお話した際に、寺山修司と、写真家の中平卓馬との関係の話で盛り上がったのですが*1、寺山と「写真」という、その時うかがったテーマが、本書に結実してい…

『甦った世界の映画』

ご恵投いただきました。 神戸映像アーカイブ実行委員会・編『甦った世界の映画』 さっそくページをめくると、「“映画の発掘”“フィルムアーカイブ”の歩みと現在を/もっと知っていただくためのガイドブックです」との言葉が。 その言葉のとおり、わずか25ペー…

荒俣宏の大大マンガラクタ館

荒俣宏氏といえば、先日、日比谷図書文化館の「荒俣宏の大大マンガラクタ館」に行ってきました。 マンガを含め、「だれかに発見されないかぎり、ずっとゴミくず同然に埋もれてしまう」ガラクタを「マンガラクタ」と呼んで展示した企画です。 しかし展示の中…

『図鑑の博物誌』と『私説博物誌』

先日の記事で触れた大阪市立自然史博物館といえば、筒井康隆氏の父である筒井嘉隆氏が初代館長を務めたことでも知られていますね。 私はこのことを、荒俣宏氏の『図鑑の博物誌』(1984年)に所収の「筒井康隆のお父さん」で知りました。 筒井嘉隆氏は天王寺…

『ジュラシック・パーク』と『赤ちゃん教育』

先日、記事に書いたPOPEYEのスピルバーグ特集ページに触発され、およそ25年ぶりにスピルバーグの『ジュラシック・パーク』(1993年)を観なおしたのですが、このラスト、ハワード・ホークスの『赤ちゃん教育』(1938年)だったのですね。 (以下、YouTubeのM…

『Accidentally Wes Anderson』

6月のブログ記事「偶然にもウェス・アンダーソン」で触れました、『Accidentally Wes Anderson』、買いました。 これは、ウェス・アンダーソン監督の映画にいかにも出てきそうな写真ばかりを集めた1冊です。 セレクトされた写真はもちろん、装丁やフォントに…

「TOPICA PICTUS きょうばし」

南天子画廊で、岡﨑乾二郎 「TOPICA PICTUS きょうばし」 nantenshi.com

『土曜の朝と日曜の夜の音楽 Ⅱ』

最近買った雑誌では、これも面白かったです。 『土曜の朝と日曜の夜の音楽 Ⅱ』(マガジンハウス) このムックのシリーズでは、パート1も買いましたし、ティータイム特集号も、ひらくと真っ先にビートルズの4人がお茶する写真が飛び込んできたので買いました…

『社寺会堂から探る 江戸東京の精神文化』

私も幹事として関わっている、東京文化資源会議のプロジェクトから新刊が出ましたのでご紹介。 『社寺会堂から探る 江戸東京の精神文化』(勁草書房)です。 これは、東京の神田・湯島・上野地区にある宗教施設を、「社寺会堂」という切り口でつなぐ、エッジ…

「誰かと話したくなる映画。」

POPEYE最新号の「誰かと話したくなる映画。」特集、よいです。 情報がぎっしり詰まっていて、ディープな映画好きも、ライトな方も楽しめるつくりで、何日もかけて読み込みました。 青春映画がテーマのページで、『東京上空いらっしゃいませ』、『牯嶺街少年…

『The Official Downton Abbey Afternoon Tea Cookbook』

先日、『ダウントン・アビー クッキングレシピ』を読んだ勢いで、さらにこんな本も入手しました。 上記のクッキングレシピ本の、アフタヌーンティー版ですね。 The Official Downton Abbey Afternoon Tea Cookbook: Teatime Drinks, Scones, Savories & Swee…

フジロックのストーン・ローゼス

何の気なしにYouTubeを見ていたら、フジロックのストーン・ローゼスの映像が流れてきて驚きました。 フジロックの公式アカウントで、過去のライブがストリーミング配信されていたようです。 FUJI ROCK FESTIVAL '20 LIVE ON YOUTUBE そういえば、新型コロナ…

『ダウントン・アビー クッキングレシピ』

ダウントン・アビーの映画を観た勢いで、こんな本も読みました。 <公式> ダウントン・アビー クッキングレシピ 作者:アニー・グレイ 発売日: 2020/06/30 メディア: 大型本 「あれ? そもそも『ダウントン・アビー』のドラマの中で、レシピ本が出るほど料理が…

『劇場版 ダウントン・アビー』

劇場公開時に見逃していた、『ダウントン・アビー』の映画版をDVDで観ました。 劇場版 ダウントン・アビー ブルーレイ+DVD [Blu-ray] 発売日: 2020/06/03 メディア: Blu-ray 映画『ダウントン・アビー』1月10日(金)公開/予告編 ドラマ版のファンからしま…

カエターノ・ヴェローゾの自伝

カエターノ・ヴェローゾの自伝の翻訳が、ついに出るようです。 artespublishing.com あれはたしか、2000年の『ノイチス・ド・ノルチ』の頃か、それとも2006年の『セー』の頃か、何かの音楽雑誌(たしかミュージック・マガジンか、レコード・コレクターズ)で…

『AIとカラー化した写真でよみがえる戦前・戦争』

お盆の読書にうってつけの本です。 庭田杏珠、渡邉英徳『AIとカラー化した写真でよみがえる戦前・戦争』 AIとカラー化した写真でよみがえる戦前・戦争 (光文社新書) 作者:庭田 杏珠,渡邊 英徳 発売日: 2020/07/24 メディア: Kindle版 この本については多く…

フットレルの『十三号独房の問題』

QuizKnockの動画を見ていたら、フットレルの『十三号独房の問題』が出てきて、無性に読みたくなって再読しました。 世界推理短編傑作集1【新版】 (創元推理文庫) 発売日: 2018/07/12 メディア: 文庫 言うまでもなく古典中の古典ですが、あらためて読むと、冒…

写真のトレースと著作権

このニュースが話題になっています。 mainichi.jp これ、どうなんよ。反転させてるけど、トリミングまでそっくり。ちなみにソウル・フラワー・ユニオン『死ぬまで生きろ』のジャケの際は、バングラデシュのカメラマンAftab Tuhinさんに使用料を払って使わせ…

キャロル・キングの「so far away」

キャロル・キングの2016年のライブが、YouTubeで観れます(1週間限定)。 場所はロンドンのハイド・バークで、アルバム『つづれおり(Tapestry)』の全曲再現ライブです。 nme-jp.com それで思い出したのが、4月のこのニュース。 新型コロナウイルスの影響で…

森崎東監督の映画を観返したい

www.asahi.com 『喜劇 特出しヒモ天国』や、『生きてるうちが花なのよ死んだらそれまでよ党宣言』、『ニワトリはハダシだ』・・・忘れがたい映画ばかり。 思えばオーディトリウム渋谷で2013年に特集上映したときの作品紹介文がおもしろかったのですが、オー…

「図書館からLibraryへ」に関するささやかな覚書

『LRG(ライブラリー・リソース・ガイド)』の最新号(第31号)をご恵投いただきました。 まずは厚く御礼を。 福島幸宏さんの責任編集ということで、特集テーマは「図書館からLibraryへ」。 法律家のクセで、まずはここでいう「Library」が何を指すのかが気…

リンゴ・スター80歳

去年の来日公演には行きそびれました。次こそは。 Wow this is a first peace and love from outer space I sent you right back peace and love thank you. ✌️❤️☮️ pic.twitter.com/ZcqUDES0NO — #RingoStarr (@ringostarrmusic) 2020年7月7日 リンゴ・スタ…

麻耶雄嵩氏の「不要不急」

麻耶雄嵩氏の新作「不要不急」読みました。 麻耶雄嵩さんの「Day to Day」が公開されました。メルカトル鮎が登場です! タイトルは『不要不急』。「とある事情でアパートが全焼して丸裸で焼け出されたため――」衝撃の冒頭からはじまる掌編。気になりすぎる続…

「フィルムの映画史」

「ゆめの」さんのマンガ「フィルムの映画史」が面白いです。 またずいぶん渋いところを。 note.com 映写室の漫画といえば、世代的に、こち亀の「浅草シネマパラダイスの巻」も思い出します。 こちら葛飾区亀有公園前派出所 97 (ジャンプコミックスDIGITAL) …

『映画の考古学』と月尾嘉男氏

本棚を整理していたら、意外な発見が。 映画の考古学 作者:C.W.ツェーラム 発売日: 1977/08/01 メディア: 単行本 このC・W・ツェーラムによる名著『映画の考古学』は、杉浦康平氏と鈴木一誌氏によるブックデザインも楽しく、フィルムアート社の本のなかでも…

偶然にもウェス・アンダーソン

「アクシデンタリー・ウェス・アンダーソン(ACCIDENTALLY WES ANDERSON)」をご存じでしょうか。 いかにもウェス・アンダーソン監督の映画に出てきそうな写真を集めた、インスタのアカウントです。 あまり日本では記事化されていなかったようですが、参考ま…

おもちゃ映画とは何か?

京都のおもちゃ映画ミュージアムから、再開のお知らせが届きました(6/3から再開館)。 toyfilm-museum.jp 私は3年前にこちらで映画の著作権のセミナーをさせていただいたので、応援の意味もこめてご紹介。 おもちゃ映画とは、大正から昭和にかけて国産の映…