small talk

音楽、映画、読んだ本のメモ帳です

ハワード・ホークスの『男性の好きなスポーツ』が今ではDVDで観れてしまう

『大豆田とわ子と三人の元夫』の影響で、昔のロマンティック・コメディ、というよりハワード・ホークス監督の映画を観たくなっていろいろ調べてみると、『男性の好きなスポーツ(Man's Favorite Sport?)』(1964年)がいつの間にかDVD化されていたことを知り、さっそく入手しました*1

 

 

この映画については、たしか学生のころに蓮實重彦氏の『映像の詩学』でその存在を知り*2、それから20年間ずっと観たかったのですが、名画座でもほとんどお目にかかれず、このまま一生観れないかと思っていました。今ではなんでも簡単に観れてしまいます。

 

DVDを再生すると、ヘンリー・マンシーニによるオープニング曲*3が、こんな風に始まります。

 

ウズラを狩るのが得意な男もいる
ヨットが好きな男もいれば、ボクシングが好きな男もいる
(中略)
でも女性が現れれば、男は彼女を追いかけて、カールした髪に指を通すだろう
それが、この世界が始まって以来のやり方さ
男性の好きなスポーツ……それは、『女性』!

 

軽快なメロディに、いわゆるピンナップ・ガールの写真がコラージュされた洒脱なオープニングで、テーマは一目瞭然。ひょんなことから釣りの大会に出ることになった男性と、彼に優勝してほしい女性のドタバタ・コメディです。

 

ホークスの40年代の作品などと比べるとややゆったりとした作りですが、熊のギャグをはじめ、水槽に激しく落ちる灰皿、ピアノ博物館のいくらなんでも置きすぎのピアノ、救命具のギャグ、ドレスが破れるギャグなど「気持ち強め」のギャグが多くて、ゴキゲンな作りです(いまリメイクするなら、たとえば鈴木亮平さんと永野芽郁さんでしょうか)。

 

ラストは、予想もしなかった(文字通りの)驚天動地の展開から、唖然とするような「The End」になだれこみます。見逃していた方はぜひ。

 

*1:復刻シネマライブラリーによるDVD化

*2:大学で受けた映画論の授業で、同書所収のジョン・フォード論を読むように薦められて、手に取った記憶があります。

*3:リンクは張りませんが、本作の原題で検索すれば、動画サイトでも観ることができるようです。